こんにちは。はなお(@oiuioi2)です。
2年前から、フィリピン・マニラに住んでいます。
私が住んでいるのは、各国の駐在員が多く住む比較的治安が良いとされているエリア。
コンドミニアムが立ち並び、フィリピン経済の中心といわれるビジネス街なのですが、日本の都会では想像できないほどに野良猫ちゃんをよく見かけます。
私たちが引っ越してきて数ヶ月の約2年前、足や手がぼろぼろになった子猫に出会ったことをきっかけに、自分たちのペースで猫の保護と里親さん探しを続けています。
これまでに保護した猫は8匹。
それぞれみんな、里親さんのもとで幸せに暮らしています(うち2匹の子猫は、うちで家猫修行中)。
今回は、2019年3月に保護した子猫・パンちゃんのお話です。
もくじ
パンちゃんとの出会い
パンちゃんを保護したのは2019年3月24日。
5匹の猫(4匹は避妊済み)が住む小さな公園に行った配偶者から、「風邪をひいた子猫がいた」と聞き、すぐにそこへ向かいました。
私たちが到着するとまるでそれを待っていたかのように、パンちゃんが茂みから飛び出してきました。
見ると目は真っ赤でほとんど開かず、鼻水を垂らしてくしゃみも止まらず、ひどい状態でした。
実はこの前の週の16日、つまり約1週間前にも迷子の子猫を保護しており、狭い我が家には充分なスペースがない状態でした。
しかしパンちゃんの様子を見ると、保護する以外の選択をする事はできませんでした。
パンちゃんは全く逃げることなく、私の持っていた小さなバッグに入ってくれました。
その日は日曜日で行きつけの動物病院は定休日だったため、翌日私が動物病院に連れて行くことになりました。
病院での検査の結果。。
2019年3月25日。
パンちゃんと一緒に動物病院を訪れました。
わが家には猫が4匹いるため、血液検査も必要です。
先生による診察の結果、パンちゃんは約1.5ヶ月の男の子だとわかりました。
また、猫風邪の処置として、鼻水・目やにと涙の治療で点鼻薬・点眼薬・マルチビタミンとLリジンが処方される事になりました。
そして血液検査。通常10分で終わるはずが、なかなか先生が出てきません。
保護猫の血液検査をする時はいつもドキドキしますが、待ち時間の長さに嫌な予感を感じざるを得ませんでした。
結果、猫白血病(FeLV)うっすら(slightly)と陽性。。疑陽性というのでしょうか、赤線自体は薄いのですが、確かに陽性反応がありました。
猫白血病とは
猫白血病(FeLV)とは、血液のがんである人間の白血病とは異なり、レトロウィルスというウィルスに感染した状態のことをいいます。
猫白血病「陽性」とは、レトロウィルスという抗原が血液中に存在しているということをあらわしています。
人間と犬にはうつりませんが、ほんとうに残念な事に、猫にうつるウィルスです。
唾液・おしっこ・うんちなどの排泄物にウィルスが含まれているため、感染した猫と食器や飲み水を共有すること、お互いのグルーミング(舐め合い)をすることで、うつってしまう可能性があります。
猫白血病の感染力は「弱い」とされており、唾液や排泄物として感染猫の体外に出ると数分から数時間でウィルスは死んでしまうといいます(湿度が高いと数日の場合も)。また、空気感染はしません。
はなお
データによると、猫白血病に感染した母猫から産まれる子猫は、出産時にほとんど死んでしまうとの事です。
しかし、生まれたあとに何らかの理由で感染した場合の持続感染率について、『山陽動物医療センター』「病気と予防法」-「猫白血病」に以下のように記載があります。
実験感染では6週齢以下の子猫では80%以上が持続感染となりますが、8~12週齢では30~50%、1歳以上では15%の猫だけが持続感染となったと報告されています。持続感染になれば生涯ウイルスを持ち続けることになります。
つまり無事に生まれたパンちゃんは、母体からの感染の可能性が低く、保護した1.5ヶ月までの間になんらかの接触により外部感染したと推測できます。
これによると、統計的にパンちゃんは「80%以上の確率で猫白血病に持続感染」する、と言えてしまいます。
そうなるとパンちゃんの白血病が陰転する可能性は、本当に低いと感じました。
さらに同医療センターの同記事に、下記のようにも記載されています。
予後は疾患により異なりますが、わたしたちが過去におこなった調査では発症後3ヵ月の生存率は60%、1年生存率は50%、2年生存率は35%、3年生存率は12%でありました。
あまりに悲しい結果に、頭の中が真っ白になりました。それと同時に、「猫の保護活動をする以上、いつかはあり得ることだった。」ことも理解していました。
ただ、悩んだところで『白血病に陽性反応がある』という事実は変わりません。空きスペースのない我が家。パンちゃんは、バスルーム(トイレ+シャワールーム)で暮らすことになりました(バスタブがないため、日本のバスルームよりは広いのです)。
バスルーム生活スタート。猫風邪の治療
パンちゃんのバスルームでの生活が始まりました。まずは猫風邪を治さなければなりません。
パンちゃん、処方された点鼻・点眼・サプリメントの摂取を毎日がんばり、まずは鼻水が、次にくしゃみが止まり、1週間ですべての症状がなくなりました。
風邪の症状がおさまったことはひと安心でしたが、病気のことや他の猫たちへの感染防止の事を考え、不安な落ち着かない気持ちが大きかったです。
子猫の猫白血病の治療について
猫白血病(FeLV)に有効な治療方法は、現在のところ残念ながらありません。
ただ、インターフェロンを毎日連続投与することで治癒の可能性が高まるという事例があります。
しかし私の暮らすフィリピンでは、そもそも猫エイズ(FIV)や猫白血病(FeLV)の検査を行う事自体がメジャーな事ではないそうです。ましてやインターフェロンの連続投与による治療について、知ってはいるが、やっていないという事でした。。
当初、私はインターフェロンを投与できる病院を探し、いくつかの動物病院へ問い合わせをしていました。
しかしインターフェロンについて検索する中で、「効果については懐疑的」とされている情報も多く、投与により体調が悪くなってしまう場合もあるという情報も多かったため、早々にこの方法は断念しました。
(※あくまで私個人の判断です。日本にいて、すぐにインターフェロンの投与ができるのであれば、獣医さんにあれこれ聞いて判断したと思います)。
他の猫への感染防止について
猫白血病(FeLV)に感染した猫の体外に出たウィルスは、数分から数時間で消滅します(多湿の空間では、数日かかることもあり)。
また、アルコールや日光での消毒も有効とされています。しかしウィルスは目に見えないので、やはりとても神経を使いますね。。
はなお
家にはパンちゃんの他に、パンちゃんよりさらに若い子猫がいます。生後1ヶ月の頃に猫白血病ウィルスと接触した場合の感染率は、80%以上。。絶対にうつらないよう、注意しなければなりません。
手洗い、床のアルコール消毒、できる限りの洋服の着替えなど、とても神経を使いました(先生には、洋服の着替えは不要だと聞きました)。
私自身、夫の手洗いが適当に見えたりすると、「なんでもっと気をつけてくれないんだろ」と思ってイライラしたり、常に無意識に緊張して、気持ちが張り詰めていました。
はなお
猫白血病のインターフェロン治療の代わりにやったこと
インターフェロンの投与以外の治療方法がないということは分かりましたが、『できる限り免疫を上げて、ウィルスを追い出してほしい』と思い、英語のサイトも含め、サプリメントについて色々と検索しました。
その中で頻繁に名前が挙がっていたのが、マイタケエキスが免疫の向上をサポートするという「Dフラクション」。
日本だけでなく海外の複数のサイトでも「リンパ腫」や「猫白血病」「猫エイズ」に対する免疫向上を目的に使用されているというレビューを見て、すぐに購入しました。
私は海外の会社「Mushroom Wisdom」から発売されている『D fraction Pro 4x』を購入しました。
購入時、日本全薬工業の『Dフラクション プレミアム』と、海外直送品の『Maitake D-Fraction® Pro』の成分含有量を計算して比較した上で購入しました。
日本全薬工業 Dフラクションプレミアム | 海外直送品:マッシュルーム・ウィズダム マイタケD-フラクション、プロ s1 4X |
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マイタケ抽出エキスを1ml中に40mg含有 | マイタケキノコ標準化抽出物を1ml中に60mg含有 |
海外直送の『Maitake D-Fraction® Pro』の方が、1mlあたりの含有量が少し多いようです。
また、日本全薬工業の製品は動物用ですが、海外製のものは特に動物に特化した製品ではありません。
Dフラクション Proの必要摂取量は
どれだけ与えればよいかわからなかったので、いくつかのサイトで見た「体重1kgあたり1滴」を参考に、2滴をあげていました。
「免疫力向上」を目的とした『サプリメント』なので、パンちゃんだけでなく他の子たちにも与えています。
5匹の猫と1匹の犬に2ヶ月あげても3/1しかなくならなかったので、30mlでもよかったかもしれません。
はなお
2度の再検査
毎日毎日、なにか希望につながる記事が読みたくて、iPhoneで「猫白血病 子猫」についての情報を調べる日々が続きました。
情報サイトで出てくる情報はだいたい同じ。。それでもつい何度も読んでしまいます。
ただ、たくさんのブログで、陽性から陰性(陰転)になった子猫がいることも分かりました。
そして最初の検査から2週間後。2度目の駆虫で動物病院へ行った時に、あわせて猫白血病(FeLV)の検査もしてもらいました。
結果は、今回も「うっすら陽性」。
今度は別の病院だったのですが、その先生は「猫白血病は、治ることはない」とおっしゃっていました。
その2週間後、最初の検査から1ヶ月後に再度検査をしましたが、同様に「うっすら陽性」でした。
ただ一点、「陽性反応が濃くなっていない」というのは、一縷の望みとなりました。
長くなりましたので、後編に続きます。
はじめまして
私も個人で保護活動をしていまして、こちらのブログにたどり着きました。
パルボに白血病にFIP、憎い病気が沢山あります。
まだウイルス検査も出来ない弱っている子猫を保護して現在隔離中です。
もしパルボだったら、もし白血病だったら。考えても仕方ないのに心配で免疫を上げる為に今日は初乳サプリを買ってきました!
気持ちの葛藤も本当に良くわかるので、今も胸がいっぱいです。
ブログを書いて下さった事に感謝します!!
黒猫ママさん、コメントを頂きありがとうございます!黒猫ママさんも保護猫活動をされているのですね。
病気が憎い って本当に本当に思います。もし病気がなかったら、たのしく広い場所で暮らせるのになんで って。
黒猫ママさんが保護された子猫ちゃんはまだ保護されたばかりなのですね。私も8月に生後3週間〜4週間なのに180gしかない子を保護してかなり不安定で心配だったのですが、2ヵ月すぎて本当に元気になりました!
その子猫ちゃんも見違えるほど元気になることを想像します。^^
そして初乳サプリ を初めて知りました、、!今後に備えてわたしも購入してみようと思います◎
ブログを読んでくださり、そしてコメントを残してくださり、本当にありがとうございます!
初めまして。
マニラに猫と一緒にきて、1か月半が過ぎました。
住んでいるコンドミニアムに住み着いている猫が数匹いて、そのうちの一匹が昨日、目やに・涙で苦しそうにしていてどうしたらよいか、何か良い案はないかと調べていたらこちらにたどり着きました。
はなおさんのように、本格的に保護活動をするまでの余裕はまだなく、持っている目薬を差してあげたいと思っても、「野良猫には触らない方が良い」との周りの意見もあり、葛藤中です。
何かアドバイスを頂けたらと思い、コメントいたしました。
よろしくお願いします。
しろたん。さん、はじめまして。
マニラに猫ちゃんと来られたのですね! 1ヵ月半ですと、まだ生活を整えられておられる頃ですね。
猫ちゃんのことを気にかけられていらっしゃる方がおられることが、とてもうれしいです;;
とても難しいですよね。。私がこれまで保護したのは、『生後数週間で一人ぼっち〜約3ヵ月の兄弟』で、比較的保護しやすかったです。
普段から仲良くしている大人の子の目の調子が悪かったことがあったのですが、仲がよいこともあり、2人がかりで抱っこして目薬をさすことができていました。
でもそれ以外にも、「どうしよう、、調子悪そうだ。。」と思いながら、どんな子かわからないし、噛まれたらどうしようって何もできないまま、2度と会えないこともありました。
そちらのコンドは、普段からえさやりさんとか、保護猫グループ(CARA welfare philippines)が入っているということはないでしょうか?
また、地域によってはfacebook上に地域ごとに細かく分かれた猫コミュニティがあり、相談できる場合もあります(例えば、cats of 〜などビレッジ名など)。
その場合、CARA welfareに相談することもできますし、facebookコミュニティがあれば写真をシェアしてヘルプを依頼することもできるかもしれません。
マニラの一番大きいコミュニティは、「Cats of manila」で、それ以外にも各地域ごとに色々なグループがあります。
『触らない方がいい』についても、触らないのが確実だと思いますが、人馴れしているかどうか、人が介在している環境にいるかで違ってくるかな、と思います(わたしはさわってしまっています^^;
もし大人しそうな子なら、おうちで保護できなくても一度だけでも病院に連れて行ってあげることができればすばらしいと思います。
でもそれが難しそうでしたら、ウェットフードにLーLYSINEやマルチビタミンなどのサプリをまぜてあげるだけでも、治癒を早めるのではないかな、と思います。
あいまいなことしか言えず、申し訳ありません、、何かのヒントがありましたら幸いです…
はなおさま
ありがとうございます。
今日はその猫には会えませんでした。
ごはんは、コンドミニアムのドアマンたちがあげているようですが、
キャットフードをもらっているようには見えませんでした。
なので、保護猫活動をしている方は、うちのコンドミニアムには、
入っていないようです。
私がこちらに来る前から主人が気にしていたので、ちゅーるやフードを
少し持ってきていますが、ドアマンたちがあげているようでしたので、
こちらは遠慮しました。
保護団体さんのTwitterですが、私自身、Twitterをしていないのと、
全て英語で書かれている(当然ですが)ので、
私は全く英語が分からないのでハードルが高いです。
多分、子猫だと思うこの猫、
人馴れはしているような気がしますが、やはり触ることに抵抗があるのと、
かなり周囲に反対されているので、私自身が保護することは難しいと
感じます。
ウェットフードにマルチビタミンなどを混ぜる、というのは今後考えたいと
思います。
しろたん。さん、
そうですよね、、もし万が一何かあったら大変ですから。。
まだお引越しされてきたばかりですし、ご自身の環境を整えることが一番かと思います。
私が初めて猫を保護したのは、引っ越して5ヵ月以上経ってからのことでした。
フィリピンでは猫をたくさん見かけるので、どうにかしてあげたいと思う場面が多いかと思います。。
私自身も、個人でやっているだけで限界もありますし、できていないことばかりです。
猫ちゃんが栄養をつけて、自然と良くなることを祈ります。。。。
はなおさま。
ご無沙汰しておりますm(__)m
いろいろアドバイスを頂いたのに、その後の報告もせず申し訳ありません。
あれから主人も含め、お目目トラブルのある猫を毎日探したのですが見つかりません。
我が家のあるコンドミニアムには今、3匹の猫が常駐しており、似たような柄の猫は居るのですが、目のトラブルは見当たらないのです。
良くなったのか、保護されたのか・・・。
わからない状況です。
今現在、3匹は固定で私の住むコンドミニアムにいます。
新しい子がいて、食べていないようすだったので、夫が日本から持ってきたフードをあげたら覚えたらしく、帰宅時待っているようです。
我が家の猫は、尿トラブル・腎臓トラブル(今は症状は出ていません)があるので、
食べているフードもブルーバッファローのWU(カリカリ&ウェット)+ヒルズのメタボリックス+ユリナリーコンフォートなので、こちらで手に入るか微妙なものなので、違うフードを買ってきて、夫が持ち歩いています。
昨日も夫が子猫ちゃんを見つけてしまって、保護したい気持ちもあるのですが・・・。
複雑ですね。
念のため、目薬は毎日持ち歩いています。
こちらに来て、まだ猫を飼っている方と知り合えてなく、なかなかこの気持ちは理解していただくことができないでいます。
またいろいろ教えてください。
しろたん さま
こんにちは!
とんでもございません、ご連絡本当にありがとうございます! ふと、猫ちゃんどうなったかな、と考えたりしていました。
そうだったのですね、その3匹の中の子かもしれませんし、誰かが保護してくれたのかもしれませんね😊
猫ちゃん、ご主人を頼りにしているのですね…○そして来られてまだ2ヶ月くらいでここまで猫ちゃんを気にかけておられること、とても尊敬します。
保護については、、いざしてみると思ったより楽で、そしてPuspin(フィリピン猫)本当にかわいいのですが現実色々考えますし、できる範囲で十分かと思います。
私の住むあたりは団体も入っていてほぼほぼ去勢されているのですが、私には慣れているのに団体では捕まえられない子が妊娠しているのを見て、私が避妊手術に連れていかなきゃいけないのに、できていない、、とくよくよ思ったりもします。
ヒルズは、ちょこちょこ売ってはいるのですが、全体的にわんこフードの方が充実していて、猫用のはなかなか在庫が安定していない状況です。
ロイヤルカナンなら比較的ネットも含め手に入れやすいのですが😔 ブルーバッファローはこれまで知らずに調べましたが、フィリピンのネット上では見当たりませんでした。。
嗜好品なら別の種類を、って試せますが、ケア系は変えるのも難しいですもんね。。
わたしもできていないこと、知らないことばかりです🙀が、猫を気にかけてくださることがうれしいです。
お気軽にご連絡ください◎
はなお