子猫の猫白血病(FeLV) が陰転するまでの日々(後編)

フィリピン人の考え方:Seize the day

パンちゃんの体に猫白血病ウィルスがある事が分かって以来、いろんな煩悩と将来の悲観がうずまいていました。

~もんもんもんもん~
「パンちゃんは治るだろうか?」
「パンちゃんのことがはっきりしない時に日本へ帰ることになったらどうしよう?絶対検疫をパスできない」
「日本に住んでればまだ良かったのに。受け皿もなくて、不安すぎるよ」
「1匹でかわいそうだから、あまり出かけられないな」
~もんもんもんもん~

oiuioi

実際、パンちゃんが1匹でいるのがかわいそうで、あまり出かけないようにしていましたし、出かける事にも罪悪感がありました。
そんな時にふと思いました。

「パンちゃんの病気がどうなるか、先のことを考えて良いことなんて何もないな。今日のパンちゃんにできることをして、それを毎日積み重ねていくしかないな。」

oiuioi

フィリピンの人の性質について、「将来を心配しないから貯金をしない。今を楽しむ。」と聞いたことがあります。

実際、私が英語学校に通っていたとき、「将来が心配だから。。」と話すと「それはどういう意味?」と言われたことがありました。

はじめてこの考え方を聞いた時、快楽的なのかなあと思ったのですが、確かに考えてもわからない未来を思い悩み今を生きないなんて、本末転倒です。

「私もフィリピンの人たちに倣って、今だけをみよう。」と自分に言い聞かせるように、気持ちを決めるように、ぐっと思いました。

ちょうどこの頃にブログを始め、パンちゃんの病気への願掛けも込めて、ブログのタイトルを「そのひぐらし(Seize the day)」にしました。

oiuioi

人間の悩み・パンちゃんの噛み癖

バスルームで暮らすパンちゃん。
食欲も旺盛で元気いっぱいなのですが、私たち人間にとって悩ましいことがありました。

それは、「パンちゃんの噛み癖」。もともとあまり甘えたりもしないのですが、ふとした瞬間に血がにじむほど噛むのです。

猫が大好きで猫によく好かれるはずの配偶者はしょっちゅう噛まれ、またバスルームへ行く度に猫アレルギーによる喘息がひどくなり、体の調子がどんどん悪くなっているのが目に見えてわかりました。

そんな中、いつものようにパンちゃんに噛まれた配偶者の手の傷が、リンパに沿って肘のあたりまで腫れてしまいました。
翌朝土曜日に急いで病院へ行き、注射を4本打ってもらいました。

そして配偶者が帰宅。念の為狂犬病の注射も打たれたため、腕が上がらないといいます。そんな中、バスルームで再度パンちゃんに噛まれてしまいました。
普段はおだやかな方の配偶者が「もう無理だ。体がもたないよ」と言いながらバスルームから出てきました。

それを聞いた私は、
「誰も幸せになってないしパンちゃんだって私たちに怒ってるよ。もう元の公園に帰そう」
と投げやりに言ってしまいました。

もちろん、本当に返す気なんてありません。
でも実際、私がパンちゃんの部屋にこもると他の猫たちが鳴き、パンちゃんの部屋を出るとパンちゃんが悲しい声で鳴き続ける日々に、罪悪感で心が消耗していたのは事実でした。

人間の気持ちの切り替えのきっかけは、「この世界の片隅に」

その夜、たまたま「この世界の片隅に」を見ました。
最後にすずちゃんと周作さんが小さな女の子に出会う場面を見た配偶者が、「最近、子供を見ると子猫に見えて泣けてくる」と泣きます。
それを見て私も涙がでてきて、「まだパンちゃんを全然幸せにしていない。絶対幸せにしないといけないね」と話し、気持ちをどうにか立て直すことができました。

パンちゃんへの声がけとマルチビタミン

翌日から、なんとなくパンちゃんに「今日もウィルスいっぱい出そうね。」とか「今日もウィルスいっぱい出して、えらかったね」「全部だして、みんなと遊ぼうね」と声をかけるようになりました。
パンちゃんは首をかしげる癖があって、それを聞くと、いつも首をかしげていました。

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ぱんちゃん

病院で処方されたマルチビタミン。チューブに入ったビタミンを、人間の指につけて猫になめてもらうタイプです。

他の猫たちはこれをいやがるのですが、パンちゃんはいつも「もっとほしい」と言って、何度もなめていました。
私にはそれが「ぼくはげんきになるんだ。がんばるんだ。」と言っているような気がしていました。

そして、本当によく食べてよく遊ぶパンちゃんに、「絶対ウィルス全部出してくれるな」と確信していました。

保護から2ヶ月の猫白血病:再々々検査

そして再々々検査の日。いつも朝にするうんちが出なかったパンちゃん。
パンちゃんはいつもトイレの量もリズムも完璧だったので、「これは最後のウィルスを出し切るために調整してくれているんだ」と思い、「パンちゃん、今日は検査だから、それまでに全部ウィルス出しておいてね」と話しました。

そして午後、再々々検査を行いました。先生がさらっと「20分待ってね」と告げます。長い長い時間を待合室で過ごしました。
結果、猫白血病陰性!!

パンちゃん、バスルームでの一人暮らしで辛かったにちがいありません。それなのにがんばってウィルスを全部出してくれました。
パンちゃんのがんばりに、帰りの車で「すごいね、がんばったね」が止まりませんでした。

また、先生より「他の猫と会わせていいよ」とお墨付きをいただきました。

みんなとの初対面

猫白血病ウィルスは、パンちゃんの血液からいなくなりました。正確には体のどこかにレトロウィルスが潜んでいる可能性はあり、健康診断を続ける必要がありますが、もう白血病になることはありません。

ずっと夢見ていた、みんなとの対面。
先輩もみんな優しく、パンちゃんを迎えてくれました。そして同世代のサンちゃんとも初対面。
うれしい場面に、心の真ん中にあった鉛(なまり)のような重いものがすこしずつ溶けていくのを感じました。

ぼくは、ぼくのごはんをもうぜんぶたべたんだよ。

2ヶ月をふりかえって

1ヶ月前後の子猫は80%が持続感染するという猫白血病。パンちゃんは見事に陰性になりました。
とても気持ちが揺れる、長い長い2ヶ月でした。

この2ヶ月、本当にたくさんの猫白血病についての記事を読みました。

大人の猫ちゃんは、自身の免疫でウィルスを排除することはめずらしくありません。
また、多頭飼いのおうちで白血病の猫を保護した場合も、食事を一緒にしない、トイレを共有しない、グルーミングをさせない事を徹底すれば、同じ家で共存できる事を経験をもって確認できました(子猫のサンにも、感染しませんでした)。

サプリメントが、今回の陰転をサポートしてくれたのかを知る方法はありません。
しかし、パッケージに書かれた『免疫システムの向上」は、この病気のサポート食品としてぴったりだったと思っています(今も、みんなの免疫向上のために引き続きごはんに入れています)。

Suppliment
海外直送品 Maitake D-Fraction® Pro – 60 ml  (マイタケDフラクションプロ 60ml)
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Maitake Product Inc(Mushroom Wisdom)

この2ヶ月の間、「その日のことだけ考える」と言いながらも、心はとても揺れていました。
パンちゃんの陰転報告が、今不安な気持ちの里親さんにとって、小さな安心になれば本当にうれしいです。

ちなみにパンちゃんの噛み癖ですが、みんなと遊ぶようになって全くなくなりました。

普通の生活を始めてからは、とても穏やかな顔をして安心しているのがわかります。そんなパンちゃんをみていると、本当に幸せな気持ちになります。

長くなりましたが、この記事を読んでいただき、ありがとうございました。
もし何か質問などがありましたら、お気軽にご連絡ください。

※追記

2019/11/23、ペットホテルに泊まる際の猫エイズ・猫白血病陰性の証明を取るために、再度検査を行いました。

心のどこかに『陰転したら陽性にはならないっていうけど、ちょっと心配』という気持ちがあったのですが、問題なく陰性である事を確認できました。

6 COMMENTS

ゆみ

藁にも縋る思いでネットで情報を集めてしまう 猫白血病闘病中の雌猫モコの母です。
長女が野良猫を保護してきたことで始まった今の生活。2か月前に発症しまた先日からひどい猫風邪嘔吐下痢。本当に辛そうで診ている私が泣いてばかりです。だめだと思っていてもついつい期待してしまう毎日。パンちゃんに元気をもらいました!

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hanao(はなお)

ゆみさん、コメントをいただきましてありがとうございます。
モコちゃん、がんばっているのですね。お気持ちが伝わって心がぎゅっとします。なんで、『ウィルス感染』がこんなにも大変なのか、、病気が憎いと思ってしまいます。

モコちゃんを保護してくれたお姉ちゃん、モコちゃんを献身的に診られているお母さん。。モコちゃんは良いおうちにきて、幸せな猫ちゃんですね。
どうかどうか、モコちゃんの血液の中からウィルスがいなくなりますように。風邪も嘔吐も下痢も、すぐに治りますように。

そして看病されるユミさんとお姉ちゃんも、毎日希望を失わず、でも淡々と、日々を過ごせますように。

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のぞみ

hanaoさんこんにちは。
我が家にも、パンちゃんにあやかりたいお世話している子がいます。

3週間前に拾った生後6ヶ月の子猫が、血液検査で白血病と診断されました。
血液検査をする以前にも、首のリンパが腫れていることから白血病の疑いがあると言われていたのですが、先生の不安が的中してしまいました。
いまは急性期とのことで、1ヶ月後と4ヶ月後に陰転しているかどうか検査することに。

我が家には5歳の先住猫がいるため、隔離& て次亜塩素酸ナトリウム(ハイターを希釈したもの)で部屋とゲージの消毒をしています。が、留守番中にゲージから脱出し、引き戸を開けて半日一緒にいてしまったのです…。先住猫も潜伏期間の4週間を待って血液検査をすることになってしまいました。

白血病の子(ねねちゃんと名付けました)は、ヘルペスのため涙目がちだけれど、よく食べ、よく遊び、いいうんちをします。お鼻は健康そのもののピンク色。
狭いゲージの中で寂しくて鳴いている声を聞くと悲しくなりますし、ねこじゃらしで遊ばせていても、この子はいつまで元気でいられるのだろう、先住猫への感染リスクを考えて拾わなければよかったかもしれない、でも今更揺れてしまうのはこの子にとって申し訳ない…と不安や罪悪感で暗い気持ちになってしまうのです。

陰転する可能性は少ないかもしれませんが、私もhanaoさんと同じように、ねねちゃんに「ウイルスを出そうね」と日々声をかけて、できるだけポジティブでいようと思っています。希望を持つことでウイルスにも勝てるんじゃないかと、ほとんど祈る気持ちです。

うちでは先生の勧めでインターフェロンの投与を決めて、本日から注射を始めました。毎週1度の注射は本人とってはつらいだろうと思うのですが…。

サプリメントについても、よく調べて購入を考えてみます。長文を読んでいただきありがとうございます。

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はなお

のぞみさん、はじめまして。記事を読んでいただき、そしてコメントを頂き、本当にありがとうございます。

私も約1年前、のぞみさんが書かれていることと全く同じ気持ちでしたので、心がぎゅっとします。
ねねちゃん、のぞみさんファミリーのところに来れて、とても幸せなねこちゃんですね。
一番がんばっているのは本猫とは思っても、先が見えないことや、先住猫への感染の不安など、人間の気持ちもなかなか追い詰められますよね。。

先住猫ちゃんと半日一緒にいたという事、とても不安になりますが、うちでもパンちゃんと子猫が接触してしまったことがあったのですが、幸い子猫に感染することはありませんでした。

インターフェロンの治療をされているのですね。サプリメントについては、『絶対』という事は全くわかりませんが、この記事経由でご連絡をくださった方で、陰転したとご連絡をくださった方がおられました。

猫白血病の話を聞くたびに、FIPに治療薬ができたように白血病にも早く治療薬ができたらいいのに、せめて猫エイズみたいに、感染のリスクが少なければいいのに、と思います。

のぞみさんも、本当におつかれさまです。
ねねちゃんのウィルスが全部出て行ってくれるように、本当に心から、祈ります。

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のぞみ

hanaoさま

返信ありがとうございます。
ねねちゃんは毎日すごく元気で、
私たちがかえって本猫から元気をもらっています。
下痢や熱もないし、陰転してくれるんじゃないかと希望を持ち続けています。

Dフラクションで陰転したねこちゃんもいるんですね!
主治医に相談し、与えても問題ないとのことで購入したところでした。ビタミンCもウイルスを排出するときに必要だと聞いたので与える予定です。

部屋の消毒は毎日欠かさず。
できることをこつこつと、続けていくしかないですね。

記事を書いていただき、コメントもありがとうございます。本当に励みになります。
勝手にやっている保護猫活動?なので、実家の家族に相談することもなかなかできず…理解を得るのは難しいですね。
一緒に祈っていただけること、力強いです。

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はなお

のぞみ様

ねねちゃん、元気いっぱいなのですね^^わかります、私も保護猫活動?深めていくとどんどん沼にはまって疲れてしまうことがあるのですが、
猫に会うと元気をもらえます。。やっぱりそれだけ猫がかわいいから、活動?してしまうんですよね。

ぱんちゃんも、その猫ちゃんもDフラクションで陰転!と確定することはもちろんできないのですが、できることが限られている中、インターフェロンも
やらない方法で陰転した、という点でその子とぱんちゃんは一緒でした。

そうですよね、色々考えると不安や心配がどうしても出てきてしまうので、毎日を積み重ねていく、という気持ちですごしたいですね。
今私も保護猫のことで心配があるのですが、考えてもなにも変わらないので、よくなるかもしれない可能性に賭けてちょっとしたことを積み重ねています。

ねねちゃんの朗報がお聞きできるよう、本当に、お祈りしています。

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